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【調査レポート】2019年市場動向から読み解く2020年化粧品市場

2019年12月18日(水)


1. 流通業界は無人化が進行!?

元号が平成から令和へと移り変わった2019年。今年も化粧品業界をめぐってはさまざまな動きがありました。では、2020年には化粧品市場はどう動くのか。それを読み解く前に、いま流通業界で進行している一大ムーブメントにフォーカスしてみましょう。

それは無人化、キャッシュレス化の流れです。2018年、Amazonは「Amazon Go」という無人スーパーをオープンしました。Amazonのアカウントを持ち、Amazon Goのスマホアプリをダウンロードした上で、QRコードをスマホに表示して入店。棚に並んでいる商品をバッグに入れれば、後はもう何の手続きもいりません。店を出るとすぐにスマホにレシートが届いて、買い物は終わり。

そうした無人化スーパーやコンビニは実は日本でも続々と増えています。例えば、2019年につくば市を拠点とするスーパーマーケットチェーンのカスミは本社の1階にスマホで商品登録と決済ができる無人実験店舗「KASUMI LABO(カスミラボ)」をオープンしました。

ローソンも2019年に「ローソンスマホペイ」の実証実験をスタートしています。工具専門ECのモノタロウも実験店舗をはじめました。また、ホテルやクリーニング店でも無人化店舗が徐々に増えつつあります。

 

省人化してコストを削減することを目的とした無人化店舗や、半径50mもしくは徒歩1分圏内をターゲットにした新しい市場の開拓を図る無人化店舗は2020年も増加すると予想されています。無人化、キャッシュレス化の流れが止まることはなさそうです。


2. 遊び心を取り入れた化粧品専門店登場

では、化粧品業界はどうなのでしょうか。やはり無人化やキャッシュレス化が進行するのでしょうか。

結論からいえば、2019年はその逆の動きが目立った年でした。例えば、英国のLUSHは遊び心あふれるアジア最大の旗艦店をオープンしました。4フロアで構成された店舗には、人の動きを感知するセンサーが設けられ、動きに合わせて次々と照明の色が変わります。

世界初となる旗艦店限定のメニューを導入したスパは、大きなタッチパネル式のスクリーンでメニューを選択できる仕組みです。スパの人気メニューは、ケルト音楽と西アフリカ音楽のリズムを現代的に融合した音楽に合わせてマッサージを行う「ザ エナジャイザー」。デジタルテクノロジーをうまく取り入れながら、客とスタッフ、客と店舗との接点を楽しくLUSHらしく演出しています。

初の直営路面店を開いたイプサは、各界の専門家を招き、セミナーやワークショップを積極的に開催しています。肌に良い食べ物、香りの働き、腸内環境の重要性などを楽しくわかりやすく学ぶことのできるメニューは好評です。

やはり初の旗艦店をオープンしたアユーラは、店舗にトリートメントサロンを導入しました。独自のブレンドのトリートメントオイルを使い、オールハンドで施術を行うホリスティックサロンです。


3. セルフ販売コスメショップの新たな形

新しいカタチのセルフコスメショップも続々と誕生しています。 その一つが、ロフト初のコスメ専門店であるコスメロフトです。コンセプトは、「街角ビューティステーション」。コスメのほか、トレンドを反映した雑貨など6000~7000アイテムを揃えた店舗はミレニアル世代がターゲット。まだ1号店が原宿の東急プラザに誕生したばかりですが、今後、この業態が全国各地に広がっていく可能性は高いでしょう。

東急百貨店も、新業態のセルフコスメ店を立ち上げました。町田東急ツインズ ウエストにオープンしたセルフコスメ店「ShinQs ビューティーパレット」です。

この店は、これまで東急百貨店が渋谷ヒカリエで展開してきたコスメや雑貨の業態ShinQsやShinQs Beautyの発展系。客が自分で商品を選び購入できる完全セルフ販売形式の店舗です。

ドラッグストアの動きにも注目しましょう。最大手のドラッグストアチェーン、ウエルシアホールディングスは高級化粧品を中心に扱う新業態ナルシスの1号店を開きました。扱いブランドは、ディオールやサンローランなど海外ブランドが中心です。自前で美容部員を育てカウンセリングを重視した店舗は、これまでのドラッグストアとは対極にある業態です。

このように、いま化粧品店は客との接点の深堀りを図り、広い意味で「美しくなる」ことを目的に、さまざまな取り組みを展開しています。テクノロジーを使うのも客を楽しませ、その場を盛り上げることが目的です。無人化店舗とは逆の動きが進行しているといえるでしょう。

化粧品は自分の肌に使用する商材です。肌に関する悩みやこうなりたいという要望を把握し、それに応えようとする接客重視型の店舗や、サロンやワークショップなど、多彩な試みを取り入れる店舗は2020年も存在感を増していくと予想されます。

その一方で、トレンドに敏感なミレニアル世代を狙って、新しいタイプのセルフ販売型コスメショップをめぐる動きも加速しそうです。2020年の化粧品マーケットに注目しましょう。


4. 中華メイクが台頭する!?

最後に、若い女性のメイクのトレンドについて触れておきましょう。 ここ数年、彼女たちの間で高い人気を得ていたのはオルチャンメイク(韓流メイク)でした。具体的には、自眉を生かした太めのナチュラルな眉毛、透き通るようなツヤ肌に血色リップ、が特徴のメイクですが、2020年は変化が訪れるかもしれません。

というのも、動画をメインに情報発信を行うだけでなく、ビジネスでも大成功をおさめている「網紅(ワンホン)」(中華圏の女性インフルエンサーの総称)に憧れる若い女性が増え、「網紅」のメイク(赤リップに濃いアイライナーを使用するメイク)が人気を集めているからです。

まだ、一部のアーリーアダプター(トレンドを最初に取り入れる層)の流行ではありますが、中華系はいまやトレンドの発信地といっても過言ではありません。最近、話題のアプリはそのほとんどが、中国や香港、台湾発の中華系アプリです。

中国で生まれ、日本でも大ブレイクを果たしたショート音楽動画共有アプリ「Tik Tok」はもちろんのこと、台湾発のライブ配信アプリの「17Live(イチナナ)」、投稿したショート動画が72時間後に削除される中国発のSNS「多閃(ドーシャン)」など、若い世代は中華系のアプリやSNSに抵抗がありません。というよりも、魅力を感じ、積極的に利用しているといった方が実態に近いでしょう。

そうした背景を考えると、中華系メイクが日本の若い女性の支持を集めるのも自然な流れかもしれません。中華系メイクが化粧品マーケットにどのように影響を与えていくのか。こちらの動きも見逃せません。

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